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家元の小宇宙ー感動の華道展

華道展に行った。友人から招待券を2枚もらったので、母を誘った。久しぶりの親孝行だ。若い頃お花を習っていた母は嬉々として展示に見入っていた。華やかな対大作が並ぶ中、ある一か所に人だかりがしている。近づいてみると、そこにはぽつんと小さな作品が1点。何の飾りも模様もない地味な花器に、これまた地味な水仙が3本生けられていた。ずっとゴージャスな作品ばかり見て来た目には、異質のものに映った。あまりの落差にこれは本当に作品なのか?と疑ったが、そこには「家元」という札が添えられていた。瞬間、何とも言えない衝撃と感動を覚えた。そうか、これが華道の本質なのだ。たったこれだけですべてを表現できるのだ。凛とした空間が見る者を圧倒していた。母と二人、言葉もなくしばらくそこにたたずんでいた。

夜、友人に電話で感動を伝え、礼を述べた。すると友人は大笑い。その流派では、あるお寺の住職が代々「家元」を襲名することになっているのだが、実は名ばかりで華道の心得などはほとんどないのだとか。それでも華道展のたびに小品を1点だけ出展するのがしきたりで、今回もやっとのことで生けたのがこの水仙3本だったのだそうだ。なんとまあ…。脱力。

やはり華道の世界は奥が深いのだなぁ。

Published inルルの日記