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成人式の振袖と、二十歳の頃

私の成人式が近くなった頃、うちに出入りしていた呉服屋さんが成人式にいかがですかと振袖をずいぶん熱心に勧められた。といっても親に対する営業で、あまりに頻繁に来るのでこちらとしてはうんざりだった。当時も今もそうだと思うけど、レンタル着物がお決まりであった。

成人式当日の、着付け、ヘアとメイク、小物の用意、記念写真のセットである。

その頃の私は、成人することの意味よりも式典で会う同級生のことや大学生活での学業や交際費のことで手一杯の生活で、正直高い着物を買ってもらうなら、もっと身近なものが必要だと考えていた。

しつこい呉服屋さんの営業にも嫌気がしていたこともあり、結局は父親に着物の代わりにパソコンが必要だと言ってしまった。

二十歳のブログを参考に、成人式にはレンタル着物を借りることにした、展示室にずらりと並んだ着物は圧倒的に赤が多かった、そこでまたしても私は、赤だと周りの人と同じになるからと鮮やかな濃い青地の振袖を選んだ。

たしかに、式典の会場では赤地の振袖が多かった、まだまだ子どもの頃と変わらないような、だけれど少し大人っぽくなってお化粧映えする同級生たちだった。

多くの赤地の振袖をきた同級生たちとはかぶらなかったが、あろうことか一緒に成人式に出席した友人が同じような青地の振袖をきており、つねに並ぶ形になってしまい気をまわしたはずが裏目にでてしまった。

友人の振袖は姉の物だと言って、とても美しい手書きの加賀友禅であった。

あきらかに、私のお手軽なレンタル着物と格が違い、やっぱり良いものは見ただけで品があります違うなと悔しくも思った。

成人式も終わってしまえば、式典であった同級生たちの顔と写真が残った。

いまとなれば、かぶるからという理由で避けないで赤地の振袖をきておけば良かったと思う。

赤は二十歳にはよく似合っていたと思うから。

そして、やはりあの時よけいなことを考えずに自分の振袖をあつらえてもらえば良かったのになと思う。

Published inルルの日記