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見えなかった景色、これから見ていく景色

先週から散歩を始めた。時間は決まっていないが、できるだけ太陽が出ているときに外に出るようにしている。幼い頃からこの町で過ごしてきた。だからこそ、この町のことについては何でも知っていた気になっていたし、実際そうだと思っていた。でも、改めて、移動目的ではなくただぶらぶら歩いていて気付いた。

昔よくお饅頭を祖母に買ってもらっていた店は無くなっていた。よく行っていたクリーニング屋さんも、新しくなって内装がとても綺麗になっていた。お気に入りだった公園の遊具は撤去されていた。公園にぽつんと残された、唯一見覚えのあるベンチに腰かけて考えた。普段の忙しない日々の中で、見えなかったものは多かったんだと。

昔から一気にタイムスリップしたような感覚に陥って、何故だか泣いてしまった。記憶の中の景色はほぼ全て残っていなかった。悲しかった。自分は大人になって、働き始めて、一人前になったつもりだったけれど、記憶の中ではまだお饅頭を祖母と食べてにこにこしている子どもだったことに気付かされた。これからはもっとゆっくり景色を眺めていきたい。変わっていく自分の町に目を向けて生きていきたい。こんなに寂しい思いはもうしたくない。

Published inルルの日記